エンクロミフェン

Enclomiphene · Enclomifene、Enclomiphene citrate、Androxal、EnCyzix

ホルモン調整と回復ヒト用には未承認WADA S4 · 禁止エビデンス:ヒトのデータは限定的

クロミフェンのトランス異性体で、長時間作用しエストロゲン作用のあるズクロミフェンを含みません。精子形成を保ちながらLH、FSH、テストステロンを上げます。承認された医薬品ではありません。

得られる効果

何のために使われるのか、情報源が何を報告しているのか。効果の強さは文献に基づく一般的な分類です:軽度、明確、強い。

用途

生殖能力を損なわずにテストステロンを上げる方法として、続発性性腺機能低下症の男性で研究されました。FDAは承認せず、EMAは2018年に承認を拒否しました。スポーツでは、ステロイド中止後のテストステロンの自己産生の回復を早めようとして使われますが、この用途は研究されていません。

求められる効果と研究が示すこと

続発性性腺機能低下症のある過体重の男性を対象とした第III相試験では、テストステロンを正常に戻し、LHとFSHを上げる一方、精子数は正常に保たれました。テストステロンゲルでは精子数が著しく低下しました。それでもEMAは、臨床的な利益は証明されていないと判断しました。症状、体脂肪、筋肉、筋力の改善は示されておらず、これらの項目はほとんど測定されていませんでした。

効果

自己産生の回復

エビデンス:ヒトのデータは限定的 — 小規模または短期のヒト研究あり

起こりうる副作用

起こりうることは、必ず起こるという意味ではありません:実際に現れるかどうかは、用量、使用期間、個人差、モニタリングによって変わります。以下では、何に注意し、どう早く気づくかを説明します。

起こりうる副作用4件

レベル · 報告頻度
高め
血液の濃縮(ヘマトクリット)/血栓リスク
試験では、3件の静脈血栓と1件の死亡に至った脳卒中がエンクロミフェン群でのみ起こりました(いずれもリスク因子のある男性)。EMAは承認拒否の理由として血栓リスクを挙げています。
気づき方:多くは自覚症状なし;ときに頭痛、顔の赤み、熱いシャワー後のかゆみ。
まれ
中等度
闇市場品の品質リスク(偽造品、汚染)
「研究用化合物」として購入されることが多く、中身や純度の保証はありません。
気づき方:予想外の作用、痛みや感染、予想より強い、または弱い効果。
起こりうる
中等度
視覚の変化
試験では、視界のぼやけと新たな白内障の変化がプラセボよりわずかに多く見られました。見え方が変わったら服用をやめて受診してください。
気づき方:かすみ目、色がついて見える、夜の見えにくさ。
まれ
低
長期的な安全性が不明(ヒトのデータが少ない)
ヒトでの試験は短期間のもので、長期的な安全性は確立されていません。
気づき方:気づけるサインはありません — リスクは、まだ分かっていないことそのものです。
起こりうる

レベルの意味

低背景 — 知っておけば十分
中等度サインに注意
高め定期的なチェックが必要
高重大 — 命に関わる、または元に戻らないおそれ

レベル:文献に基づく一般的な分類であり、あなた個人のリスクではありません

頻度

よくある
報告が多い
起こりうる
一部の人で報告
まれ
報告はまれ

リスクを下げる方法

起こりうる副作用4件のうち2件には、可能性を下げる具体的な方法があります:日常の対策、サプリメント、医師が検討することがある選択肢。それ以外については一般的なアドバイスを示します。リスクを完全になくす対策はありません。

高め血液の濃縮(ヘマトクリット)/血栓リスク

血算を定期的に確認;ヘマトクリットが高いままなら医師が判断します — 通常は原因の中止や減量、ときに治療的瀉血。献血で下げることは決してしないでください。脱水を避ける:血液がさらに濃くなります。

対策
定期的な血液検査医師の指示による治療的瀉血医師による管理
各選択肢がどう役立つか(3)
  • 定期的な血液検査 — 血算で、ヘマトクリットとヘモグロビンが血栓や脳卒中のリスクが高まる範囲に近づいていくのがわかります。
  • 医師の指示による治療的瀉血 — 医師の判断がある場合に限られ、献血として行うことは決してありません。ヘマトクリットをすばやく、ただし一時的に下げます。繰り返すと鉄が失われ、血栓リスクが下がるかどうかは証明されていません。
  • 医師による管理 — 使っているものを変更するか、妥当な場合は治療的瀉血によって、血液の濃縮に対処します。
中等度闇市場品の品質リスク(偽造品、汚染)

処方箋なしで入手した製品は、偽物、表示と中身が違う、無菌でないといったことが多く、自宅で確かめる方法はありません。合法なサプリメントでは、第三者検査(Informed Sport、NSF)を受けた製品を選んでください。

中等度視覚の変化

見え方に何か変化があれば、使用をやめて眼科医を受診。

対策
医師による管理
各選択肢がどう役立つか(1)
  • 医師による管理 — クロミフェン、タモキシフェン、イソトレチノイン、PDE5阻害薬、GLP-1薬の使用中に見え方が変わったら、速やかな診察が必要です。中止を勧める添付文書もいくつかあり、中止によって後に残る障害を抑えられる可能性があります。

低レベルの副作用

長期データ不足
分かっていないリスクは下げられず、避けることしかできません。使用したものを医師に伝えてください。

診察と血液検査

どの検査と診察を、いつ受けるべきか。これは目安です — 正確なスケジュールは担当の医師と相談してください。

開始前の検査
あなた自身の基準値 — 以後の結果はすべてこれと比較します
血算(ヘマトクリット、ヘモグロビン)ヘマトクリット
テストステロン(総、遊離)、LH、FSH、SHBG
エストラジオール(高感度測定)
使用中
開始から約4〜6週間後、その後は6〜8週間ごと — 正確なスケジュールは医師と相談してください
血算(ヘマトクリット、ヘモグロビン)ヘマトクリット
テストステロン(総、遊離)、LH、FSH、SHBG
エストラジオール(高感度測定)
中止後
中止から4〜8週間後(持続性の注射剤ではさらに後)、その後は値が基準値に戻るまで
血算(ヘマトクリット、ヘモグロビン)ヘマトクリット
テストステロン(総、遊離)、LH、FSH、SHBG

相談できる医師

スポーツドクター全体を統括
循環器内科医ヘマトクリット
眼科医視覚

次の場合はすぐに受診してください

  • 片脚の腫れ、痛み、赤み;突然の息切れや胸の痛み;突然の体の片側の脱力やしびれ、話しにくさや見えにくさ — 至急、医療機関を受診してください。
  • 突然の視力低下やかすみ、光が見える、視界にカーテンがかかる — 至急、医療機関を受診してください。

緊急時は、お住まいの地域の緊急通報番号に電話してください。

俗説と事実

俗説

「エンクロミフェンは、副作用のないクロミフェンだ。」

事実

ズクロミフェンがないぶん、気分や性欲の訴えは少なくなりますが、SERMであることに変わりはありません。規制当局は血栓リスクを指摘しており、長期的なデータはありません。

組み合わせ

作用の重複ステロイド使用中のクロミフェンまたはエンクロミフェン

アナボリックステロイドを使っている間は、これらの薬でテストステロンの自己産生を回復させることはできません。ステロイドがLHを止めたままにするためです。それでも、これらの薬の副作用は起こりえます。

クロミフェン

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